ちょっかいちょっかい銀ブラデート

2021年10月13日

ラブシーン(完)


ところで、隣に座る長山洋子似にはすごいピッチが速い。
はしゃいでる。飲んでないよーとか言われる私。
酒とは飲ませるためにあり、自らは飲むに非ず。
いつしか、彼女は私にしなだれかかっている。明るいし、ガードも緩いし、結構、遊んでる女性なのかなって思った。ニヤリ。好都合だな。
私は手札を切る。
今日から「東京ラブストーリー」が
私は軽食を手に取り、口に咥え、長山洋子に顔を向けて差し出す。 
ポッキーゲームとかしちゃっている。密着している。僅かに唇をかすめる。うーん。今日、すごい楽しいよ、とご機嫌だ。
踊りに行く! のりのりしていて、ダンスフロア。
もうこんな感じ。

描写は割愛だ。もはや、これだ。これでいい。もう言葉はいらないのだ。ふひひだ。
ただ、私の場合、ダンスというか、ただ、飛び跳ねてるだけだ。アホだ。
汗ばんだ肌を涼しげに、テラスに出た、長山洋子似と。
PXL_20211009_104107329

夜空は曇り、音楽は遠ざかって誰もいない。ここで、籠絡を挑む。彼女を。俺が!
自分はトム・クルーズだと言い聞かせた(バカ)。私は言う。顔を近づける。
「睫毛が長いですね」
そんな枕詞の後でKISSしようとした。だが、顔を背けられる。ショック。

「私、そんなに軽い女じゃないよ」
ガーン😵!

彼氏が不在で港区在住でやたらヨガに通い、食事には気には気を遣った美女に振られた。
「僕はもう見込みありませんか?」y
「だって、まだ、今日、会ったばかりだよ」俯く。
「目をそらさないで。僕を見てください」
下から見上げる長山洋子似……かわいらしい。
「初めて会ったんだよ、そんなことできないよ」
しおらしいことを笑顔で言うが、彼女は明らかに困っていた。トーンダウンだ。 
彼女は繰り返す。逆に突き詰めれば、容易にできるような男だと思われたら、浮薄なプレイボーイだと思われてしまう。そうではないんだ。

「じゃあ、もっと、お互いを知り合いたいです、今度、ツーショットして下さい」
その日にツーショットしたいと言い出す。デートにお誘いする。彼女は曖昧に頷く。しかし、連絡先は交換した。一歩前進と思って、戻ろうとした時だ。彼女の最もかわいらしい瞬間と邂逅する。

「ねぇ、本当に行くの? 私、からかわれてない?
 
それはこっちのセリフだったが。じゃ、指切りと彼女。私と小指で結んだ。きつく。固く。意外に。ふひひ。


ikeniee at 07:21│Comments(0)

コメントする

このブログにコメントするにはログインが必要です。

ちょっかいちょっかい銀ブラデート